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第10回カフェカブパーティin京都 トークフォーラムレポート

 2013年6月9日(日)京都市梅小路公園七条入口広場・特設ステージにて開催。
 ステージにクロスカブStd/HMJカスタムモデルを展示。
 ゲストコメンテーター金塚征志、MC和田祥子


MC 皆様、こんにちは!。
   本日は「第10回カフェカブパーティーin京都」にお集まり頂き、誠にありがとうございます。
   今回のトークフォーラムは発売直前のクロスカブをテーマに本田技研研究所二輪R&Dセンターの開発責任者の
   金塚征志さんにお話を伺いたいと思います。
   それでは金塚さん、ステージへどうぞ。

MK 皆さん、本日はカフェカブ京都にご参加頂き、誠にありがとうございます!。
   私、株式会社本田技術研究所二輪R&Dセンターの金塚征志と申します。
   こちらのクロスカブの開発責任者をやっております。
   もの凄い晴れ男です。
   本日はそんな私のおかげ…ではありませんが、とても良い天候に恵まれ、またクロスカブの発売直前ということもあり、
   たくさんのカブ主様にお集まり頂き、大変嬉しく思います。
   皆さんにクロスカブに込めた思いを十二分に伝えられるよう務めさせて頂きますので、よろしくお願いします。


MC それでは早速、お話を伺って参ります。
   こちらのクロスカブは、いよいよ今週発売ですね?。

MK ハイ、今月の14日に発売します!。
   最初に皆さんの熱いご声援のおかげでクロスカブが発売出来ることになりました。
   お礼申し上げます。
   そして昨年11月のカフェカブ青山で、コンセプトモデルを初披露してから発売迄、長い間お待たせしてしまったことを
   お詫び申し上げます。

MC 素朴な質問かもしれませんが、コンセプトモデルというのはモーターショー等で発表するのではないのですか?。

MK そのほうが一般的ですよね。
   でも「新しいカブ」ですから、モーターショーよりカフェカブの場でワールドプレミアにしたいという想いがありました。
   当時はまだ開発検討中のタイミングだったわけですし、異例の事だったのかもしれませんね。

MC カフェカブをお披露目の場に選びたかった、ということですか?。

MK 新しいカブを誰よりも心待ちにされている皆さんに、誰よりも早くお見せしたかったんです。
   当時は社内にもまだ見たことのない人が、たくさんいましたからね。
   でも、あの日から皆さんの熱い声援が後押しになりまして、発売まで漕ぎ着けました。
   今月の14日に発売致します!。

MC 金塚さんも開発責任者として嬉しいでしょうね?。

MK ハイ、嬉しいです!。
   でも私にとって本当の喜びは沢山売れること!ですので、皆さん何卒よろしくお願いします。

MC いっぱい売れるのが一番嬉しいんですか?、やらしいですね〜。

MK アハハ、少しでも多くの方がクロスカブに乗って喜んで貰いたいということですよ!。
   街中で走っているのを見た時に、何とも言えない感動があるんです。
   またそこに笑顔があったら…、もう最高ですね!。

MC 開発者ならではの喜びですね。


MK ではクロスカブについて話しましょう。
   まずクロスカブのコンセプトは「THE CROSSOVER A LIFE & PLAY」、
   「日常の遊びの融合・架け橋」という意味です。
   つまりスーパーカブの使い勝手をそのままに、遊びの要素を掛け合わせるということです。

MC また素朴な疑問なのですが、スーパーカブの使い勝手とはどういうことでしょうか?。

MK 逆に質問しちゃいますが、和田さんはスーパーカブといえばどのように使われているイメージがありますか?。

MC スーパーカブと言えば郵便屋さんとか新聞屋さんとかお蕎麦屋さんの出前とか…。


MK そうでしょ?、それがスーパーカブ。
   今年で55周年になりますが、その間ズ〜っと人々の生活の中に溶け込んで来ているんですよね。
   言わば街中の風景の一部として、誰もがバイクに全く興味のない人達でさえ常識的にカブを知っています。
   私、昨日からこちらに来ていまして、良い機会ですので京都のカブ事情を見ようと街を散策したのですが、
   京都ならではの歴史深い街並みや細い路地でも近代的な幹線道路でも、違和感なく溶け込んでいるんですね。
   これこそがスーパーカブなんですよ。
   昔から皆様に愛されているわけですから「昔のカブじゃないとカブじゃねぇ!」とか、趣味の逸品としての
   信念をお持ちの方も多数いらっしゃいます。
   勿論この会場にも沢山おられると思います。
   実際に新しいカブを出す度に「こんなのカブじゃねぇ!」と怒られてきました。
   時代と共に少なからずデザインは変わり続けていますが、総じて本物のスーパーカブであって、それを認めて
   貰って来たからこそ、スーパーカブは55年間も販売を続けることが出来ているんですよ。

MC どうしてデザインが変わっても、本物のスーパーカブと認められちゃうんですか?。

MK これはあくまでも私個人の見解ですが「想い」があるからではないかと思っています。
   時代と共に姿、形は変わってもスーパーカブに対する想いは全く変わりません。
   それは私達開発者は勿論なんですが、先程「怒られて来た」と言いましたよね?、怒るって思い入れがあるから
   じゃないですか。
   スーパーカブを使ってくれている、愛してくれている皆さんの想いがあるからこそ、スーパーカブはスーパーカブとして
   在り続けられるのだと思います。
   間違いなく言えることは、スーパーカブは長年皆さんに愛され続けて来たホンダを代表するモデルのひとつである、
   ということです。

MC それでは金塚さんの「クロスカブに込めた想い」を具体的にご説明ください。

  

MK ハイ、ご説明しましょう!。
   先ほども言いましたが、スーパーカブは人々の生活に密着してきました。
   生活に根付いたということは、それだけ使い易かったということです。
   例えばギアチェンジの時に左手を使わずに靴も傷めない自動遠心クラッチとロータリーシフト。
   例えば乗り降りしやすく防風と足元への泥を防ぐステップスルーのレッグシールド。
   例えば燃費と耐久性でナンバーワン。
   これらのスーパーカブの利便性をそのままにして、遊びの要素をプラスしたのがクロスカブということです。
   では実車で具体的に説明しましょう。
   まずは見た目の特徴からいきましょう。
   このモデルのアイディンティティーはパイプワークで囲まれた丸目ヘッドライト。
   スーパーカブが丸みを帯びた角形のヘッドライトになったのに対して、丸目ライトをボディマウントすることで
   カジュアルで親しみ易いデザインにしました。
   またパイプで囲うことで、このモデルならではの個性を演出しました。
   鉄パイプという素材の無骨さ、そこに色づけをすることでヘビーデューティーさ、POPさの両立を狙いました。

MC アウトドアのヘビーデューティーとストリートのPOPの両立ということですか?。

MK そうですね、幅広いシチュエーションで似合うパッケージングを考えました。
   これはボディ全体でも表現しています。
   サイドカバー、フェンダーはもとより、リヤキャリアもボディ主体色にペイント。
   更に逆の拘りとして、レッグシールドとボディカバー、リヤクッションスプリング、チェーンケースをブラックに
   することで、ツートーンカラーのようにボディ主体色とのコントラストを強調しています。

MC このツートーンのカラーコーディネイトはPOP感があって素敵ですね。

MK では中身や性能に纏わる部分を説明します。
   まず足許から。
   スーパーカブ110PROにスタンダードのスーパーカブ110の17インチタイヤを履かせただけと思われそうですが、
   違います。
   スタンダードのスーパーカブ110より太いタイヤサイズにしています。
   遊ぶということは必ずしもオンロードだけではないと考えられますので、不整地に適したタイヤを標準装備しています。
   次にブレーキ。
   リヤブレーキの直径を110mmから130mmに大径化して制動力をアップさせました。
   同時にリヤアクスルシャフトも直径を12mmから15mmに3mm太くしました。
   そしてドリブンスプロケットをC110の35Tに対して37Tと、ローレシオにすることで加速性能と登坂性能を
   アップさせました。

MC 見た目だけじゃなく、遊ぶ為の性能も備えたということですね。

MK その通り!そして前後のクッションはスーパーカブ110PROのモノを持って来ました。
   新聞配達用のヘビーデューティースペックで、最低地上高も相当アップしています。
   数値でいえば20mmアップですが、実際の使い勝手はそれ以上の差があります。
   そして既に注目されている皆様も多い可倒式のステップを採用しています。(ステップを手で動かす)
   次にライディングポジションについて説明します。
   幅広のハンドルは自然で楽な姿勢に運転出来ると同時に、ギャップを拾っても上からギュッと抑え易くなっています。
   そしてシートクッションも10mm厚くして、座面を大きくしました。

MC ロングツーリングでも、お尻が痛くならない?。

MK そうそう、ゆっくりノンビリと走るのもカブの醍醐味ですよ。
   最低地上高アップとシート厚でシート高は50mm高くなるので、アップライトなライディングポジションで
   リラックスしながら広々とした視界を楽しんでもらえると思います。

MC クロスカブでノンビリ旅って楽しそうですね!。
   でも着座位置が50mmも高くなると、足つき性が悪くなったのではないでしょうか?。

MK 鋭い質問ですね。
   ハッキリ言ってクロスカブの足つき性はスーパーカブ程ではありません。
   しかしその分、開放感や走破性能をアップしています。
   「足つき性がどうしても」という方には、スーパーカブ110のシートに交換することも可能です。
   逆にスーパーカブ110やスーパーカブ110PROにクロスカブのシートを取り付けることも出来ます。
   同様にクロスカブの可倒式ステップもスーパーカブ110やスーパーカブ110PROに取り付けられます。

MC つまり色々なカブのパーツは、それぞれに互換を持たせてコンポーネンツが楽しめる、ということですか?。


MK 大正解です。
   クロスカブを発売することでクロスカブのユーザーは勿論のこと、スーパーカブやスーパーカブPROのユーザーも
   楽しくなってもらえると嬉しいなという想いがあります。
   ただし、シートやステップを変えることでライディングポジションやバンク角が変わったりと仕様性能が変わることが
   ありますので、パーツ交換はお客様の自己責任でお願いします。
   ここで私の考えたクロスカブならではの使い方を、提案したいと思います。
   先程説明したようにクロスカブは楽々ポジションの為、ここの部分(メーター後方)が大きく空いています。
   ここにね、こうやって鞄を付けます。(準備していたカメラバッグを装着する)
   (車両に跨ってハンドルを切りながら)ほら、これ位のボリュームがあっても膝に付きませんし、メーターも
   ちゃんと読めます!。
   これ、僕の私物のバッグですが、このようにカラビナなんか付けておくと、結構なスペースになるんですよ。
   荷物を搭載するときは、ハンドルをきってもレッグシールドに干渉しないことを確認してください。
   それとこれ!、ユニクロのダウンジャケットなんですが、こうやって自転車用ネットでここに付けたりね。
   バイクって寒くなることも想定しなきゃいけないから、常時付けておいても良いと思うんですよね。
   雨カッパの定位置にも良いと思います。
   このようにクロスカブにも工夫ポイントが沢山ありますので、カブ工夫のプロフェッショナルの皆さんに僕等が
   思いもしない便利で楽しい使い方を発掘して貰いたいですね。


MC 「クロスカブに込めた想い」が、よく解りました。
   では金塚さん、こちらのカスタムモデルに移りたいと思います。
   こちらも昨年のカフェカブ青山でお披露目したカスタムコンセプトモデルですか?。

MK そう見えますよね。
   ところが実は違うんですよ。
   こちらに関しては、ホンダモーターサイクルジャパンの森口のほうから説明して頂きましょう。

MC それではホンダモーターサイクルジャパンの森口さん、ステージにおいでください。
  

森口 カブファンの皆さん、こんにちは。
   ホンダモーターサイクルジャパンの森口と申します。
   よろしくお願いします。
   こちらのカスタマイズモデルは、昨年のカフェカブミーティングin青山にて初めてクロスカブをお披露目した際に
   ベースモデルと共に展示したカスタマイズコンセプトのイメージを基に、クロスカブの発売に合わせて用意した実際に
   お買い物求め頂けるカスタマイズパーツのラインナップを使用して再現したものです。
   青山で提案して以降、大阪/東京の両モーターサイクルショーでも展示したので、皆さんもよくご存知かと思います。
   モーターサイクルショーでは私もブースに立って説明しましたが、ノーマルのクロスカブもさることながらカスタマイズ
   コンセプトについてもお客様にご注目を頂き「是非欲しい!」とのご感想を多々頂戴しました。
   このお客様のご期待に応えたいという想いもあり、本日こうして皆さんの前に実際の商品として紹介できることを
   本当に嬉しく思っています。
   カスタマイズモデルの全体のイメージとしては金塚が説明していましたように、クロスカブのコンセプトである
   「日常と遊びの融合」を、より具体的に提案するものです。
   よりアウトドアイメージを強調するパーツ構成で、ヘッドライトガード、アンダーフレームセット、ハーフカバーセット、
   スポーツマフラー、等が装着されています。
   今回、特別に装着したブロックタイヤとアルミリムを除き、これらのパーツはお近くのHonda二輪車正規取扱店で
   ご注文お買い求め頂けます。
   カスタマイズパーツカタログにもありますとおり、これ等以外にも豊富な商品をラインナップしておりますので是非
   ご覧ください。
   個性的なクロスカブを皆さんそれぞれのテイストで更に個性的な1台にして、行きたい場所に行きたいスタイルで、
   より一層カブライフを楽しんで頂きたいと思っています。


MK 皆さんは、どのパーツを付けようと考えていますか?。
   実はこの妄想時間が一番楽しいんですよね〜!。

MC ところで金塚さん、本日はもうひとつビッグサプライズがあるそうですね?。

MK そうなんですよね。
   去年の青山に次いで京都でも驚きの車両の登場です!。
   今回は私もサプライズされちゃう側になるんですけどね。

MC 皆様、本日飛び入りゲストの株式会社キタコ技術部の中西陽一さんです。
   本日はようこそ、お出でいただきました。
   中西さん、こちらのカスタムモデルはとても可愛いですね。


MK これ、12インチタイヤですか?。

中西 そうです、エイプのホイールを履いています。

MK なるほどね〜、堪りませんなコリャ。

MC こちらはコンセプトモデルなのですか?。

中西 はい、パーツの市販も検討しながら開発しています。

MK 何ですってェ〜、そりゃあスゴイ!。

中西 モナカマフラー、ハンドルパイプ、ベトナムキャリア、スウィングアーム、リヤボディカバー、12インチキット、
   フロントフェンダー…etc.
   なかでもこのモナカマフラーは、ほぼ市販かが確定しております。

MK これチタンですよね?これで発売しちゃうんですか?。

中西 さすがにそれは(笑)…実際はステンレスになると思います。
   でも皆様からご要望があれば、こちらとしても作りたいと思います。

MK 金に糸目は付けん!絶対に買うぞ!という人はぜひ直接中西さんに!。

中西 お待ちしています(笑)。

MK これ何だかあれですね、4ミニ系に見えますね!。

中西 それ狙いなんです!シャリーやダックスをベースにカスタマイズしている人が多いんですが、実はカブでも
   そっち系がいるんです。


MK クロスカブは、アイデア次第で楽しみが大きく広がるレジャーモデルです。
   皆さんのカブライフの仲間に加えてもらえると良いなと願っています。
   よろしくお願いします。

この後、Q&Aを行い、トークフォーラムを終了。